診療内容
再生医療外来
千葉白井病院では患者さんに寄り添った医療の実現を目指し、「再生医療外来」を開設いたします。
再生医療は、平成26年9月に世界で初めてiPS細胞を用いた移植手術が行われて以来、これまでに有効な治療法がなかった疾患への新たなアプローチとして期待されています。整形外科領域においても様々な再生医療が行われており、海外で活躍する日本人スポーツ選手が、肘靭帯の損傷を手術せずに再生医療の一種であるPRP療法(PRP:Platelet-Rich Plasma)を施行したことが話題となりました。しかし、関節症や筋肉、腱、靭帯損傷に悩む人はスポーツ選手に限ったことではありません。
日本における関節症疾病の総患者数は143万人とされており、自覚症状のある有訴者率においては年齢階級が高くなるに従って上昇する傾向があります。これまで手術を必要としない程度の変形性膝関節症患者に対してはステロイドやヒアルロン酸を投与による保存治療が行われてきました。これらの治療により除痛が期待される一方、改善を認めない患者様も多くいらっしゃいます。このような状況を解決すべく登場したのが、手術と従来からの保存治療の間に位置するPRP療法なのです。自己の血液から抽出される成長因子を多く含むPRP投与では抗炎症作用による除痛と組織修復が期待できます。
再生医療は患者さんにとって安全かつ負担が少ない治療法として、関節症治療における“新たな選択肢”として期待されています。関節痛(特に膝関節痛)、テニス肘などでお困りの方まずは再生医療外来を受診してみてください。個々の状態に最適な治療を提案し、PRP療法の適応がある場合は治療の詳細、費用等についてご説明をいたします。
診療時間について
再生医療外来
四肢:第2、4土曜日午後 (14時から16時、一枠30分、完全予約制)
脊椎:日曜日午後 (一枠15分、完全予約制)
適応疾患
変形性関節症(膝、股、肩、肘など)、テニス肘、ゴルフ肘、靭帯損傷、筋挫傷、変形性腰椎症、腰椎椎間板障害、腰椎椎間板炎など
PFC-FD療法(PRP療法)とは?
PFC-FD療法(PRP療法)は再生医療のひとつで、人が生まれながらに持っている「自然治癒力」を活かした治療法です。
ご自身の血液から「成長因子」という細胞の成長や増殖を促す物質を取り出し、傷ついた箇所に注入する治療法です。
変形性関節症、スポーツ外傷、筋肉・腱の炎症などに効果が期待できます。
下記のようなお悩みをお持ちの方は、ご相談ください。
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膝が痛い
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関節の痛みがなかなか改善しない
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グルコサミンを飲んでいる
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ヒアルロン酸注射を何度も打っている
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ヒアルロン酸注射の効果が感じられない
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変形性膝関節症と診断された
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人工関節の手術を勧められているが、手術はしたくない
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1回の注射で長い鎮痛効果を得たい
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スポーツで筋肉や腱を痛めた
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腰が痛い
PFC-FD療法(PRP療法)の効果が期待される疾患
●変形性膝関節症
●半月板損傷
●靱帯損傷(膝・肘・足など)
●変形性腰椎症
●テニス肘、ゴルフ肘、ジャンパー膝
●膝蓋靱帯炎
●アキレス腱炎
●腰椎椎間板障害
●腱鞘炎
●足底腱鞘炎
●スポーツ外傷
●腰椎椎間板炎 など
成長因子とは?
血液中の血小板には、細胞の成長や増殖を促す「成長因子」という物質が含まれています。成長因子が周囲の細胞に働きかけることで、損傷した組織のに対する抗炎症作用、修復促進、コラーゲン産生が促され、 早期治癒や痛みの軽減が期待できると考えられています。
当院では「PCF-FD」を使用いたします。これは、患者さんご自身の血液から作成したPRP(多血小板血漿)をさらに活性化させ、濃縮したものをフリーズドライ化したものです。同量の血液と比較して成長因子の総量が多くなっています。
PFC-FD療法(PRP療法)の特徴
自己修復機能を促進する
成長因子の働きによって、患部の自己修復機能を促します。
ご自分の自然治癒力を活かした治療です。
安全性が高い治療
ご自分の血液を利用した治療のため、アレルギー反応や拒否反応などの副作用のリスクが少ない治療です。
手術・入院が不要
採血と注射による治療なので、手術や入院は不要です。
手術を避けたい方や手術以外の治療法を検討したい方にもお勧めです。
高齢の方でも治療可能
注射による治療ですので、高齢の患者さんでも受けることができます。
症状によっては、手術が適していることもありますので、医師とよく相談しましょう。
PFC-FD療法(PRP療法)の副作用について
患者さんご自身の血小板から抽出した成分を注入するため、重い副作用は少ないと考えられています。
採血・注射時の副作用(痛み・腫れ・赤みなど)が起こる可能性はあります。